福田デンタルクリニックブログ

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歯周病が病気のシグナル

―メタボリックドミノを阻止せよ-

今、「未病」が話題になっています。特に、歯科疾患とメタボリックシンドロームの関係が注目されています。慶応義塾大学の伊藤裕先生が提示された「メタボリック・ドミノ」の図はわかりやすく、興味深いものです。

倒れ始めたドミノは、下流になるほど止めるのが困難。できるだけ上流で、流れを止めることが大切であると言われています。

このメタボリックドミノの考え方では、①ドミノが「重積」する危険性②ドミノの「流れ」にみる各症状の関わり方と発症時期、③ドミノの流れの連鎖反応、などが重要視されています。

もともと「メタボリック・シンドローム」は、脳血管障害や心血管疾患による死亡が、全死亡の約30%を占め、この予防が健康対策の主要戦略となってきたと言われております。これらの病態の主な危険因子は、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙などであるとされています。1980年代から一個人に複数個のリスクが集積した状態が、動脈硬化性疾病発症の要因として重要であることが示され、シンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓肥満症候群などと呼ばれています。これらの考え方を整理、統合したものが、「メタボリックシンドローム」となったと言われています。

今、「メタボリックシンドローム」の成因には、①生活習慣病、肥満、脂肪細胞の異常③インスリン抵抗性、④炎症と自律神経系の関与が指摘されています。特にインスリン抵抗性は肥満と密接な関係にあり、高インスリン血症は、高血圧症、高血糖症、高脂血症といったメタボリックシンドロームの病態が起こる原因となるといわれています。

図に戻りますが、下流のより重篤なステージに進行した病態では、外科医が主に対応し、中流、代謝性疾患が発病した中間部分は内科医が対応することになります。

では、私たち歯科医はどこに対応するのでしょうか?まさにこの上流から中流までの部分です。さらには、食養士、栄養士と共に「未病」域に対応できると思います。

例えば、よく咀むことにより、インスリン分泌や糖代謝能に明らかな差ができ、肥満を防止する。又、これは糖尿病を予防することになります。

私達の領域では、特に「歯周病」がクローズアップされ、「ガン」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の原因、促進因子とされており、歯周病は種々の問題ある生活習慣病によって発症するので、歯周病にかかっている場合は、そのほかの生活習慣病も、殆どの場合伴っています。これは言い変えると歯周病は全身代謝性疾患と血管病の一つと言えます。

ご自身が歯周病にかかった時に、(成人の80%が歯周病です。)生活習慣、食生活を見直すよいきっかけと考え、早速行動に移して頂きたいと考えます。

参考文献

「臓器は若返るメタボリックドミノの真実」伊藤裕著/朝日新書

「ヘルシーライフプロポーション」武内博明著/デジタルダイヤモンド社